「副業で簡単に稼げる」「SNSで見た投資話でもうかる」といった勧誘をきっかけとした消費者トラブルは、近年の消費生活相談のなかでも件数が増えている分野です。この記事では、副業・もうけ話に関する消費生活相談件数の推移と、関連が指摘されるSNS型投資詐欺の被害統計を、消費者庁・国民生活センター・警察庁が公表する一次資料の数値だけを用いて整理します。各数値には出典リンクを付しています。引用・参照される際は、必ずリンク先の一次資料で最新の数値をご確認ください。
実際に金銭を支払ってしまった後の返金の考え方や証拠整理については、詐欺被害の返金に関する相談情報サイトもあわせて参考にしてください。個別の返金可否を保証するものではありません。
この記事の要点(一次データ)
| 指標 |
数値 |
出典 |
| SNSが関係する消費生活相談件数(2024年) |
8万6,396件 |
消費者庁 令和7年版消費者白書 |
| 消費生活相談の総件数(2024年度) |
約91.0万件 |
国民生活センター PIO-NET |
| SNS型投資詐欺の認知件数(令和7年/2025年) |
9,523件 |
警察庁 確定値 |
| SNS型投資詐欺の被害総額(令和7年/2025年) |
1,288.0億円 |
警察庁 確定値 |
※本記事の数値は各資料の公表時点のものです。集計方法・対象期間(年/年度)が資料ごとに異なる点にご注意ください。
SNSが関係する消費生活相談件数の推移
消費者庁「令和7年版消費者白書」(令和6年度報告)によると、SNSが関係する消費生活相談件数は次のように推移しています。副業・投資などの「もうけ話」を含むSNSきっかけのトラブルが、相談増加の背景にあるとされています。
| 年 |
SNSが関係する消費生活相談件数 |
| 2022年 |
61,155件 |
| 2023年 |
81,049件 |
| 2024年 |
86,396件 |
白書では、これらの相談は幅広い年齢層から寄せられているものの、40歳代以上の年齢層が占める割合が高い傾向にあるとされています。数値の出典は、消費者庁「令和7年版消費者白書[概要]」(図表1-11 SNSが関係する消費生活相談件数の推移/PDF)です。白書の一覧は消費者庁「消費者白書等」から確認できます。
消費生活相談全体のなかでの位置づけ
国民生活センターが公表した「2024年度 全国の消費生活相談の状況(PIO-NETより)」によると、2024年度の消費生活相談件数は約91.0万件で、2023年度の約89.3万件から増加しました。出典は国民生活センター「2024年度 全国の消費生活相談の状況−PIO-NETより−」です。
また、消費者被害・トラブルに関する契約購入金額の推計(消費者白書)は、2024年で約10.9兆円とされ、前年より増加しています(出典:消費者庁「令和7年版消費者白書[概要]」図表1-12/PDF)。これは特定の商品・サービス全体を対象とした推計であり、副業・もうけ話に限った金額ではない点に注意が必要です。
「情報商材」に関する相談件数
「簡単に稼げる」とうたう副業・投資のノウハウを高額で販売する情報商材も、消費生活相談の対象となっています。国民生活センターがまとめる情報商材に関する相談件数は次のとおりです。
| 年度 |
情報商材に関する相談件数 |
| 2023年度 |
6,256件 |
| 2024年度 |
4,118件 |
出典は国民生活センター「情報商材(各種相談の件数や傾向)」です。件数はPIO-NET登録分で、最新の集計値は掲載元で更新されます。情報商材の解約・返金に関する一般的な考え方は、副業の情報商材を解約・返金請求したいときの対処法で解説しています。
関連が指摘されるSNS型投資詐欺の被害統計(警察庁・確定値)
「SNSで知り合った相手にすすめられた」「著名人の広告から投資グループに誘導された」といった手口は、警察庁が「SNS型投資詐欺」として統計を取っています。消費生活相談とは集計主体・定義が異なりますが、副業・もうけ話トラブルの深刻化を示す補助的な指標として参考になります。
SNS型投資詐欺(単独)の認知件数・被害額
| 年 |
認知件数 |
被害総額 |
| 令和6年(2024年) |
6,413件 |
871.1億円 |
| 令和7年(2025年) |
9,523件 |
1,288.0億円 |
SNS型投資・ロマンス詐欺(合計)の認知件数・被害額
| 年 |
認知件数 |
被害総額 |
| 令和6年(2024年) |
10,237件 |
1,271.9億円 |
| 令和7年(2025年) |
15,168件 |
1,834.3億円 |
さらに、特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺を合わせた令和7年(2025年)の認知件数は43,000件、被害総額は3,257.4億円で、いずれも前年から大きく増加しています。警察庁は、令和7年7月以降、著名人の画像や動画を無断で使用したバナー等広告による被害の増加が顕著であるとしています。出典は警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)/PDF」です。
数値から読み取れる傾向
- SNSをきっかけとした消費生活相談は、2022年から2024年にかけて増加傾向にある(61,155件→86,396件、消費者庁)。
- SNS型投資詐欺の認知件数・被害額は令和6年から令和7年にかけて増加している(認知件数6,413件→9,523件、警察庁)。
- 「簡単に稼げる」「著名人が推奨」といった広告表現をきっかけとする手口が、消費者庁・警察庁双方の資料で言及されている。
これらは公表資料に基づく件数・金額の事実であり、特定の広告・事業者が詐欺であると断定するものではありません。広告の見分け方の一般的な観点は、スマホで稼げる系副業広告の実態と契約前の注意点や、AI副業の詐欺案件を見分ける10のチェックポイントも参考にしてください。
相談先
副業・もうけ話に関して不安を感じた場合や、契約・支払いをしてしまった場合は、状況に応じて次の窓口に相談できます。詳しい使い分けは副業詐欺の相談窓口一覧 状況別の使い分けを解説で整理しています。
| 窓口 |
連絡先 |
主な役割 |
| 消費者ホットライン |
電話188 |
最寄りの消費生活センターへ接続。契約トラブルの助言・あっせん |
| 警察相談専用電話 |
#9110 |
詐欺被害の相談。緊急性が高い場合は110番 |
| 金融庁 金融サービス利用者相談室 |
https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/ |
投資まがいの副業案件など金融関連の情報提供・相談 |
よくある質問(FAQ)
Q1. 「副業 詐欺 相談件数」は公式に何件と公表されていますか。
A. 「副業詐欺」という単一区分での全国件数を一本の公式値として公表した資料は限られます。関連する公表値としては、SNSが関係する消費生活相談件数(2024年 8万6,396件、消費者庁)や、SNS型投資詐欺の認知件数(令和7年 9,523件、警察庁)などがあります。集計主体・定義・対象期間が異なるため、単純比較はできません。
Q2. これらの数値はどこで確認できますか。
A. 本記事の各数値には消費者庁・国民生活センター・警察庁の一次資料へのリンクを付しています。引用される場合は、リンク先の最新版で数値と公表時点をご確認ください。
Q3. 相談件数が減っている項目(情報商材など)は、被害が減ったということですか。
A. 相談件数は、手口の変化や相談のしやすさ、集計方法など複数の要因の影響を受けます。件数の増減がそのまま被害実態の増減を意味するとは限らないため、傾向の一つとして参照することが適切とされています。
免責事項
本記事は公表されている統計資料に基づく一般的な情報提供を目的としており、特定の案件・事業者・広告が詐欺に該当することや、被害の返金可否を保証・断定するものではありません。数値は各資料の公表時点のものであり、最新の値はリンク先の一次資料でご確認ください。個別の状況については、消費者庁(https://www.caa.go.jp/)、国民生活センター(https://www.kokusen.go.jp/)、警察相談専用電話#9110、消費者ホットライン188にご相談ください。